魔法。それが伝説や御伽噺の産物ではなく、現実の技術となってから一世紀が経とうとしていた。そして、春。今年も新入生の季節が訪れた。国立魔法大学付属第一高校—通称『魔法科高校』は、成績が優秀な『一科生』と、その一科生の補欠『二科生』で構成され、彼らはそれぞれ『花冠』(ブルーム)、『雑草』(ウィード)と呼ばれていた。そんな魔法学校に、一組の血の繋がった兄妹が入学する。兄は、ある欠陥を抱える劣等生(ウイード)。妹は、全てが完全無欠な優等生(ブルーム)。どこか達観したような面持ちを見せる劣等生の兄と、彼に肉親以上の想いを寄せる優等生の妹。二人がこのエリート校の門をくぐったときから、平穏だった学びの園で、波乱の日々が幕開いた。 原作は電撃文庫より累計453万部を発行している同名ライトノベル。複雑ながら知れば知るほど面白い世界観設定。群像劇的な様相も垣間見える多数の魅力的なキャラクター。その中で繰り広げられる達也と深雪の物語は、ライトノベルファンのみならず多くの読者を虜にしている。 監督を務めるのは『境界線上のホライゾン』、『咲-Saki-』シリーズなど、ヒット作を多く手がけた小野学。本作で展開されるスピーディーなアクションは氏の得意とするところだ。また、キャラクターデザイン・総作画監督を、原作イラストを手がける石田可奈(総作画監督としては吉川真帆、宮前真一と共同)が担当することも話題となっている。