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増原光幸監督インタビュー
増原光幸監督 『ダイヤのA』Q&Aインタビュー
   10月よりテレビ東京、AT-X他にて始まるTVアニメ『ダイヤのA』。増原光幸監督に本作の見どころなど、気になる部分を一問一答形式で聞いてきました!

Q. 『ダイヤのA』は大人気漫画が原作となりますが、原作を読んでみての第一印象はいかがでしたか?

増原 一言で言って「熱い」と。ドラマが熱い作品だと思いました。野球というゲーム面における技術的な部分だけではなく、キャラクターそれぞれの野球に掛ける想い溢れる作品で、老若男女問わず楽しく見ていただけると思います。

Q. 本作のようなスポーツものを手がける上で気をつけていることはありますか。

増原 同じスポーツものでも、例えば『はじめの一歩』と『ダイヤのA』では大きく違うんですよ。『一歩』の場合、リングにあがっているのは当事者だけなので、カメラもボクサーにぐっと寄って心情を追っていけるという利点があります。対して『ダイヤのA』の場合、チームプレイが基本です。グラウンドも広いので、2人が同時に反応し、お互いに心情面でのドラマ的な盛り上がりがある……という場面ではカメラが二人を同時に捉えきれないんですよ。群像劇的な面白さがある一方で、そのあたりは非常に苦心していますね。

Q. アニメならではの魅力というとどこになりますか?

増原 やはり、キャラクター達が動いて話しているということですよね。今回は原作を忠実に再現することに注力しています。原作のキャラクター達が、イメージそのままに動いていると感じてもらえるように作っているつもりです。

Q. 本作で演出的にこだわっているところはどんなところでしょうか。

増原 テンポが大事な作品だと思っているので、勢いや緊張感を持続させることでしょうか。劇伴音楽を付ける作業も含めて、原作のテンションを壊さないように気をつけています。

Q. 増原監督自身が絵コンテを切られている第一話で、演出的にこだわられたところはどのあたりでしょうか?

増原 やはり、何よりも原作をできる限り再現するというところですね。それ以外でひとつシーンを挙げるとすれば、主人公の沢村が、青道高校からやってきた(高島)礼に、部屋で勧誘されるシーンでしょうか。夕方なんですが、原作だと見ようによっては、昼間に見えるんですよ。そこをあえて夕方にしたのは、ひとつは絵的な変化をつけられればというところ。もうひとつは、沢村の転機になるシーンであるということを強調したかったという理由があります。このあと、彼は青道高校の練習を見て大きな決断を下しますよね。夜が来て次の朝が来る前−−沢村の生まれ変わる前というところの暗喩で、夕方にしました。

Q. 野球シーンをうまく見せる工夫はどんなところにありますか?

増原 プロ野球の実況中継をテレビで見ると、「これぐらい打てるんじゃないのか」という気持ちになるのですが、実際にピッチングマシーンで速い球を体感すると「とても打てない!」というのが実感として分かるじゃないですか。テレビのような客観的な視点だけでなく、そういった主観的な驚きや感動を大事にしていきたい、それを視聴者に伝えたいと思っているんです。さらに彼ら球児達の一球一球にかける想いも上乗せして、視聴者に届けられるような作品にしたいと思っています。

Q. 同時期に放送する『はじめの一歩 Rising』について、エールをいただけますか?

増原 僕は「はじめの一歩」一期のみ演出をやっていましたが、『New Challenger』、『Rising』の宍戸(淳)監督は長い付き合いになっていますよね。それだけ長期に渡っての作品、大変だと思いますが、切り開いていってもらえればと思っています。『ダイヤのA』も長期作品目指して、あとから付いていきます! 頑張ってください!

Q. 最後に視聴者に一言いただけますか?

増原 長い作品になると思います。どうぞよろしくお付き合いください!

増原光幸監督 『ダイヤのA』Q&Aインタビュー
   本インタビューは増原光幸監督と「刈谷アニメcollection2013」に向かう電車内にて敢行されました。写真は現地で撮影したものです。増原監督、慌ただしい中、ありがとうございました!
増原光幸プロフィール

アニメ業界入りし、『あずきちゃん』にてデビュー。『ガングレイヴ』、『太陽の黙示録』などの演出・助監督を経て、『チーズスイート・ホーム』にて初監督を務める。その他の監督作品に『こばと。』、『BLADE』、『しろくまカフェ』がある。
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