「マッドハウス・リアルツアー」。書籍を買って応募していただいた皆さんを対象に行ったこの見学会を、『ハンター×ハンター』ゴン役や『ちはやふる2』菫役でお馴染みの、潘めぐみさんに体験してもらいました! 案内するのは、書籍でも登場したマッドハウスのオタク宣伝マンことフウタです。スタッフの方が緊張する中で繰り広げられた、その一部始終とは!
フウタ(以下フ)「潘さんは同じ大学の後輩と聞いています! 今日はビシバシとアニメについて話していきますんで、先輩の言うことをよく心に刻むように! それじゃあ早速現場に行こう!」
潘「(ノーリアクション)」
フウタ「お、おい! 潘!………………さん…?」
潘「あ、はい!」
フウタ「(…せ、先輩としての威厳が…ううっ…)。それじゃ、まずは演出についてだ!」
さて、それはともかく、向かったのは『BTOOOM!』監督、渡邉こと乃さんの席! 渡邉さんは、『ちはやふる2』の第10話の演出を担当。潘さんの目の前に出されたのは…菫のカットでした!
潘「わあっ、これ菫ですよね! 凄い凄い!」
フ「はっはっは! どうだあっ!」
そのカットを元に、渡邉さんから演出のお仕事について伺いました。
渡邉「演出のお仕事の中で特に大事なのは、キャラクターの演技を正確に作画さんに伝えることです。この菫ちゃんのカットの前後を担当した原画さんには『ギャグ的な状況から一気にシリアスに見せたい』ということを言いました。
しかし、あまりにシリアス寄りにしていただいてしまい…影がかなり付いてホラーチックになってしまったんです。最終的に、これをシンプルにするため演出修正を入れました」
「ふむふむ」と真剣に聞く潘さん。
フ「潘……さん。今の説明で分かった?」
潘「はい! さすがですね!」
しかし、渡邉さんがそのカットの動画をパラパラ捲っていくと…。
潘「かわいい〜、菫ちゃん!」
フ「ふふふ…まだまだ子供じゃな…(慈しみの目)」
渡邉「(笑)。指示がちゃんと伝わらないと、とんでもないカットが手元に来たりするんです。例えば…」
渡邉さんが別の画を差し出します。すると、そこに描かれているのは、かなちゃん(大江奏)!?
渡邉「気がつきましたか? このカット、本当は菫ちゃんじゃないといけないんですよ。なのに、かなちゃんがあがってきてしまいました(苦笑)。こんなことはかなり稀なケースですが、沢山の人が作品に関わる分そんなアクシデントにも柔軟に対応していきます。これは時間もなかったので演出修正で菫ちゃんになるよう修正をして、作監さんに描き直してもらったんです」
潘「そんなこともあるんですか…他者に演出の意図を伝えるのって大変なんですね…」
そして、いつの間にか話題はアフレコのことにーー。
渡邉「演出はアフレコの時に立ち会うんですが、声優さんの台詞回しを聞いて、新しい発見をすることもあります。その演技で絵を直すときもありますね。あとで直せるようにアフレコ台本にメモして帰るんですよ」
潘「ええっ、そうなんですか! そうしたことを聞くとかえってアフレコで緊張してしまうかもしれません!」
なんて一幕も。
そして、次に向かったのは『ハンター×ハンター』作画監督、阿比留隆彦さんの席。そこで飛び出たゴンの秘密とは…それはまた次回、5月10日(金)の更新にて!