最終回となる今回は、動画についてお話します。
ここまで来たらアナログの大詰めです!
動画とは、原画と原画の間にある画を埋めて、アニメーションに必要な全ての画を描く作業になります。
アニメではキャラクターの動きを滑らかに見えるようにする為、原画の間に動画を何枚入れるか、どのように動くのかの指示があります。
パラパラ漫画をイメージして頂ければ分かるかと思いますが、大まかな動きで描いてあるのが原画のみ、細かい動きまで描かれているものが動画まで描いている事になります。
前回少し触れた中割りの中には色々な手法がありますが、予告したように、『先詰め・後詰め』について説明していきましょう。
このキャラはおぎにゃんと言って、丁寧に説明してくれています!
これではA1とA5が原画になり、A2〜A4が中割りというものになります。違いが分かるでしょうか。
言葉の通りではありますが、しっぽを先に詰めて描いているのが先詰め、後に詰めて描いているのが後詰めになります。
両方の右側に描いてある線で引かれたものは、中割り指示になります。これで先詰めか後詰めかが分かります。
この場合の大体の基準として、先詰めのA4と後詰めのA2が同じくらいになって、更にその間を割っています。
以下を御覧ください。
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これを見て頂いたら分かりやすいと思います。
A1からA5につくまでの時間は同じなのに、それぞれ別の動きをしていますね。
先詰めは「始めは滑らかに後半早く」、後詰めは「始め早く後半滑らかに」といった具合に動きます。
A1とA5は同じ絵なのに、これだけでキャラクターの動きが全然違ってきます。
私には後詰めの方が自然に見えますが、皆さんはいかがでしょうか。
これと同じく、ちはやふるのカットではどうでしょうか。
この画像では、前回説明した詰め指示が使われています。大きく見て後詰めですね。
これは正式な速さではないですが、何となく後半がゆっくり(滑らかに)動いてるように見えると思います。
この手法は他のアニメでも結構使われているものなので、アニメを見た時に『お、何となくここは詰め指示使われてるかも…』と思いながら見るのも楽しいかもしれませんね。
と、言うわけで今回はここまで!
同時に、岩波コラムもここでオシマイです。
「アニメ! リアルvs.ドリーム」では会話での説明の上、他にもたくさんの内容が込められています。
ぜひ、お買い求め頂き、合わせて楽しんで頂ければと思います。
短いコラムでしたが、お付き合い下さった皆様!ありがとうございました!!