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『寄生獣 セイの格率』 原画で見るその世界観
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第23話のイチオシ原画

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   23話からセレクションしたのは、カット179です。

   ついに新一と後藤が戦います。圧倒的な強さで立ちはだかる後藤。5匹のパラサイトが共存し、戦闘に特化した後藤の存在はまさに無敵です。
   しかし新一は、硬質化の隙間に錆びた鉄棒を食い込ませることに成功しました。

   カット179では後藤が、傷を負わせた新一へ怒りをあわらにします。まさに鬼の形相ですね。
   後藤の怒りの正体、それは脳を支配したパラサイトが持つ本能――「人間を食い殺せ」というものでした。

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第22話のイチオシ原画

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   22話からセレクションしたのは、カット121です。

   後藤への奇襲は失敗に終わりました。敗北を悟ったミギーは、新一に向かって逃げるよう叫びます。
   無我夢中で逃げる新一。足を滑らせ川に落ち、ようやくの思いで岩に登りますが、今はもう右手はありません。失った右腕を押さえて号泣する新一。その涙はミギーを失った悲しみなのか、それとも不甲斐なく逃げた悔しさからなのか――。

   22話でミギーは初めて怒鳴り声をあげました。そして新一と友だちになれてよかったとも呟きます。第1話からは想像もつかない言動です。
   本体から分離したミギーを孤独感がくっきりと大きく包み始め、彼は自分の死を悟るのでした。

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第21話のイチオシ原画

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   21話からセレクションしたのは、カット352です。

   後藤に殺すと宣言された新一は、死の恐怖に怯えます。自分は近いうちに殺される――新一は心のバランスを崩して街を彷徨います。
    そんな新一の前に村野里美が現れ、ふたりは肌を合わせます。人間の愛情に触れ、最後に「生きよう」と強く決意する新一。

   ずっと見守っていた里美が、新一に生きる力を与える回でした。カット352は、ふたりが互いに慈しみ合い、それが人間らしさの象徴として描かれるシーンとなりました。

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第20話のイチオシ原画

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   20話からセレクションしたのは、カット271です。

   ついに始まったパラサイト駆逐作戦。攻撃部隊は一般市民や隊員の犠牲を払いつつも着実にパラサイトをしとめていきました。と同時に市庁舎には人間・パラサイト双方の死体が散らばり惨憺たる光景が広がります。
   人間を射殺しても眉ひとつ動かさない部隊長の山岸に、殺人犯・浦上は「てめぇだって人殺しだろ」と呟きます。

   そして銃撃戦も終盤のカット271、後藤を取り囲んだ攻撃部隊は一斉にショットガンを浴びせました。散弾を全身に浴びる後藤。しかし、後藤はびくともせず、腕に弾丸を集めると散弾銃のように勢いよく放ち反撃します。

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第19話のイチオシ原画

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   19話からセレクションしたのは、カット183です。

   新一は久しぶりに高校に通い、体育の授業に出たり、ベンチで里美と会話をします。その様子は、ミギーと共存する不自然さはありながらも、やはり高校3年生の男の子の姿でした。
しかし卒業後の話を里美と笑いながら話す新一のもとへ平間警部がやってきます。
   「なんで泉くんばっかり!」里美の悲痛な声が校庭に響きました。

   第19話ではいよいよ人間がパラサイトへの反撃を開始しました。警察へ協力する新一。
迎えた決戦日、東福山市役所を機動隊が囲みます。物々しい雰囲気の中、パラサイト駆除がついに始まります。

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第18話のイチオシ原画

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   18話からセレクションしたのは、カット139です。

   第18話では、ついに田村玲子が死にました。
   刑事達に発砲され銃弾を全身に浴びる田村玲子。胸に抱いた赤ん坊を守るために髪の毛で防御壁を作ります。新一に託されるまで、彼女の腕の中で赤ん坊は守られ、傷ひとつ負いませんでした。
   田村玲子の最後は、人間以上に人間らしいものとなりました。

   実はアニメ『寄生獣 セイの格率』の各話タイトルはそれぞれ小説の題名に因んでいます。第1話『変身』はフランツ・カフカの小説、第5話の『異邦人』はアルベール・カミュ、第18話『人間以上』はシオドア・スタージョンの同名小説のタイトルに由来しています。

   最終回のアフレコも終わり、終局が近づいてきたアニメ『寄生獣 セイの格率』。
   アニメ本編に興味を持たれた方は、各話タイトルが示唆している小説も読んでみてはいかがでしょうか?
   そこもまた、アニメーションの複線となってますので、さらに楽しんで頂けること間違いなしです!

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第17話のイチオシ原画

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   17話からセレクションしたのは、カット49です。

   夜の飲み屋街で肩を抱いて歩くカップル。
   その横を、頭が半分しかない口の裂けた女が高笑いしながら走り去ります。
   その姿に怯えつつも後をつけたカップルは、今度は女が頭をまっ二つに裂く場面に出くわします。
   都市伝説となった口裂け女のような容姿、その後の怪談めいた演出と、第17話は古典的ホラー要素のある話数でした。

   そしてまた、田村玲子を巡る環境が大きく変わる話数でもありました。
   「渡したいものがある」と新一に電話で告げる田村玲子。新一と母親の写真を眺める彼女の表情は、全てを覚悟したかのようにも映ります。

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第16話のイチオシ原画

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   16話からセレクションしたのは、カット202です。

   三木を倒したと思いきや、後藤の登場により窮地に陥る新一。
   ミギーの機転により何とか危機を脱しました。
   そして、衣服がボロボロの新一へ、ミギーは服を買うようお金を渡します。
   収納ポケットのような穴から紙幣を取り出すミギー。
   ミギーはこんな器用なこともできたんですね。
   ちょっと意表をつかれる場面でした。

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第15話のイチオシ原画

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   15話からセレクションしたのは、カット223です。

   新一は夢のなかで骸骨のような化け物に会います。
   異世界で背をかがめていた謎の生物は、新一の声に反応してのっそりと振り向きます。背を伸ばした体はずいぶんと大きく、人間とは異なる骨格にぎょろりと目玉だけついており、どこかミギーを連想させる姿でした。「ほう、化け物に見えるのか…でも人のことは言えないぞ。これを見てみろ」、その生物は新一に鏡を向けます。そこに映っていたのは、人間の姿をしていない新一の顔でした。

   15話では、新一は広川達パラサイト集団を潰す決意をします。学校を走り去る新一の姿に、村野は新一の覚悟を見て取りました。探偵・倉森が恐怖から戦いを避ける一方で、新一はひとり孤独な戦いに身を投じていくのでした。

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第14話のイチオシ原画

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   14話からセレクションしたのは、カット72です。

   思い出し笑いをする田村玲子。
   しかし、「自然にこみ上げる笑い」を知らないパラサイトは自分が笑っていることに気づきません。鏡を見て初めて、自分が思い出し笑いをしていると自覚します。感情のないはずのパラサイトが「面白い」と感じる、意味深いカットでした。

   そもそも感情とは? 愛情とは? 母性とは? 田村玲子は、人間について、自分について、学ぼうとします。赤ん坊を連れて大学の講義を受ける姿からは、何か模索している印象も受けます。

   とは言っても、田村玲子の笑いは、人間離れしたとんでもなく不気味な笑顔でした。

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第13話のイチオシ原画

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   13話からセレクションしたのは、カット168です。

   探偵・倉森志郎に自分の存在を気づかれたミギーは、彼を殺そうと試みます。しかし新一の抵抗にあい、腕から分離して単体で倉森を追いかけました。
   二本足(?)で立つミギー。身体の軽さに慣れず、新一との距離を一考して追跡を断念しました。

   容赦なく人間を始末しようとするミギー、あくまで人間を守ろうとする新一。徐々に打ち解けてきたようにも映る新一とミギーでしたが、改めて寄生生物と人間の価値観の違いを見せつけられる回となりました。最愛の女性へ真実を言えない苦しみはじわじわと新一を追い詰めます。

   それにしても、足が生えたミギーもまたかわいいですね。

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第12話のイチオシ原画

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   12話からセレクションしたのは、カット256です。

   特別な能力でパラサイトの存在を探知できる君嶋加奈。加奈は新一と間違えて、食事中のパラサイトへ近づいてしまいます。そして、新一の目の前で胸を一突きされ、倒れました。

   夢で見たように、新一に抱かかえられる加奈。その表情は穏やかで、新一と会えたことに心から幸せを感じているようにも映ります。
   満ち足りた表情で新一の頬を撫で、こと切れた加奈。新一と出会った人生と、出会わなかった人生――どちらが加奈にとって幸せだったのか、周囲が推し量ることはできません。ここにもまた、加奈の「セイの格率」がありました。

   自分の目の前で大切な人が殺され、新一の心はいっそう堅く閉ざされていきます。見ていてもとても辛い場面でしたね。

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第11話のイチオシ原画

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   11話からセレクションしたのは、カット141です。

   タンクトップに短パン姿の大男がひとり、ヤクザの事務所に乗り込み組員22人全員を殺戮し、その後スーツ姿の人間・後藤に姿を変え、車で去っていきました。

   これまで寄生生物同士のバトルシーンが多かった『寄生獣 セイの格率』ですが、11話では人間の姿を維持したパラサイトが銃器を持った大人数と渡り合う大立ち回りのアクションシーンが見せ場となりました。

   能面のような笑顔のまま白いタンクトップに返り血を浴びる姿は、生理的な恐怖を感じますね。

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第10話のイチオシ原画

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   10話からセレクションしたのは、カット39です。

   危機一髪、島田秀雄の攻撃をかわし決死のダイブをする立川裕子。
   10話は、無力な立川裕子が島田秀雄と対峙する緊張の冒頭シーンで始まります。変形した島田の姿を目にして、恐怖に慄く裕子。偶然投げた剥離剤のビンにより助かります。

   壮絶なシーンが続く10話では、これまでにない数の負傷者が描かれました。彼らの運命は、ほんのちょっとの判断や行動によって決まりました。立川裕子が殺されずにすんだのも、咄嗟の判断が功を奏したからに過ぎません。それらもまた無意識の行動、「セイの格率」のひとつの結果なのかもしれません。

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第9話のイチオシ原画

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   9話からセレクションしたのは、カット180です。

   矢野のパンチを顔色ひとつ変えずに左手で受け止める新一。
   ミギーと交じり合ったことで、新一は身体にも心にも変化が生まれました。超人的な身体能力、冷静で合理的な思考。そしてパラサイトと戦う唯一の人間という立場は、本人が感じている以上のストレスとなって新一へ蓄積されていきます。

   何も知らずに島田秀雄に絡むミツオ達へ苛立ちを隠せない新一。そしてついに、彼をずっと気遣ってくれた村野里美を怒鳴ってしまいます。

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第8話イチオシ原画

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   8話からセレクションしたのは、カット229です。

   パラサイトである転校生・島田秀雄の登場に新一の心はざわつきます。母親が殺された恨みから、パラサイトへ怒りを抑えられない新一。その表情には、かつての優しくて少しオドオドとしていた新一の面影はありません。

   学校生活に戻った新一ですが、周囲は新一が変わったと感じます。村野里美は、新一を別人のように感じ悲しみます。そんな里美の姿に新一自身も困惑し、人間らしさについて考えるようになります。

   それにしても、こんな鬼のような形相で振り返られたら怖いですね。

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第7話のイチオシ原画

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   7話からセレクションしたのは、カット16です。

   新一は、初めて自分と同じ立場の人間に出会います。男の名は宇田守。小太りで冴えない印象を与えるホテル従業員です。宇田守は顎に寄生され、パラサイトに支配権がある間は自由にしゃべることができません。

   宇田守の登場シーンは、ダイナミックに動く顎とそれに戸惑う目元のアンバランスが滑稽な印象を与えるカットでした。

   涙もろくお人よしの宇田守と粗野なパラサイトの組み合わせは、新一とミギーの関係性とはまた異なります。パラサイトと人間の共生関係もひとつではない、それぞれが独自の共存生活を維持していることがわかる回でもありました。

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第6話のイチオシ原画

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   6話からセレクションしたのは、カット49です。

   母親に寄生したパラサイトから致命傷を受けた新一。瀕死の新一を蘇生させるため、ミギーは砂糖水を飲ませます。蛇口をひねり器用に水をためるミギー。

   ミギーが心臓を治癒したことで、新一とミギーはより“混じった”存在へと変化していきました。驚異的な身体能力を得た新一。そしてミギーもまた、人間的とも映る一面を見せるようになります。

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第5話のイチオシ原画

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   5話からセレクションしたのは、カット299です。

   毎回衝撃的な展開の『寄生獣 セイの格率』ですが、5話は最も衝撃的な回のひとつでした。
   パラサイトに寄生された母親を前にして、新一は理性を保てません。そんな新一をパラサイトは冷酷にひと刺しします。
   痛みや恐怖ではなく、母親に刺された戸惑いを浮かべる新一。その表情も場面の壮絶さを象徴するカットでした。

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第4話のイチオシ原画

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   4話からセレクションしたのは、カット242です。
   両親の旅行が心配な新一を、ミギーは確率の観点から諭します。

   パラサイトの存在を知らない両親。母親は新一の不審な言動を理解できず、日に日に困惑を深めていきます。そんな親子関係ですが、傍から見ると、よくある思春期の親離れのように映ります。
   親子3人での食事風景も、暖かく幸福な家庭を象徴する場面のように見えますね。

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第3話のイチオシ原画

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   3話からセレクションしたのは、カット134です。
   ホテルのカフェで良子を待つ新一とミギー。
   良子が他のパラサイトを連れてくることに動揺を隠せない新一と、淡々としたミギーとの会話シーンです。

   第3話では、この物語のもうひとりの主人公とも言える良子が登場しました。
   他のパラサイトとは一線を画した良子の存在は、常に、新一に緊張と葛藤を与え続けます。

   非日常的な映像であるはずの、新一とミギーの会話風景も徐々に目に馴染んでくる回でした。

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第2話のイチオシ原画

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   2話からセレクションしたのは、カット118です。
   長井に絡まれた新一。殴られるままの新一に業を煮やしたミギーは、長井の顔面を攻撃します。
   吹っ飛ぶ長井に、新一は「しまった」という表情です。

   第2話では、新一の意思とは関係なく右手がミギーとして変形したり動いたり、日常生活でミギーに振り回される新一の姿がコミカルに描かれていました。
   それにしても長井は勢いよく吹き飛びましたね。

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第1話のイチオシ原画

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   1話から抜き出したのは、カット301。
   パラサイト犬に遭遇した新一。隠れて様子を伺っていると、ミギーがその驚異的な殺傷能力でパラサイト犬に一撃を与えます。

   1話のパラサイト犬に遭遇してから倒すまでの一連のシーンは、新一とミギーの性格・価値観の違いがよくわかる場面になっています。アニメーションでも、ミギーの攻撃が勢いよく描かれることで、新一の驚きが引き立っていました。
   ミギーの非情な攻撃姿勢を見た新一は、改めてミギーが人類とは相容れない生物であると感じます。

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