第二章
〜いかにハッタリを効かせるか〜
●アニメくんによるチェック!
この絵が実際のイメージラフ。第1話のアバンタイトル(ファーストカットからオープニングまでの間)に出てきた闘技場だ。空と白がプレイしているゲーム内という設定。作品全体の序盤にあたるシーンの舞台である。特徴は円形であること。建物同士が空中廊下で繋がっているとメモがあり、未来的な外観をしている。
●いしづかあつこ監督との問答
いしづか「この闘技場は円形のコロッセオ風になっています。動き回ることを前提として設定しました。あえて位置関係を有耶無耶にするために円形にしたんです」
フウタ「有耶無耶にすることで演出上の嘘が付けるから、ハッタリも効きやすいということですか」
いしづか「そうです。それと、コロッセオの壁をひたすら引き続けることができるのもポイントでした」
フウタ「引き続けるというのは?」
いしづか「壁を背にしてキャラクターが走り続けられるということですね。これは円形の特徴なんですよ。四角くすると必ずコーナーが必要になりますよね。だからコーナーで、キャラクターはどうしても止めないといけなくなる。そうならないようにするための措置です」
フウタ「なるほど。そういった演出上のテクニックで躍動感のあるシーンに仕上がっているんですね」
いしづか「ここはハッタリを効かせないといけなかったんです。「物凄いバトルアニメが始まった!」と思わせるのが狙いでした。でも「全然違った」とあとで思ってもらう。そういうハッタリの連続で『ノーゲーム・ノーライフ』はできています(笑)」
フウタ「バトルを中心にしたアニメも、いしづか監督はそれほどやられてない印象がありますが?」
いしづか「そうですね。アクションは苦手だと自分では思っているんですけど、やり始めると楽しいです(笑)。アクションはできないと言っていたんですが、頑張ってよかった。作画さんにも本当に救われました」
今回はイメージラフにおける舞台設計と演出についてお話を伺った。次回は同じく第1話より、あの場所をピックアップ。そこで意外な事実が明らかに?