みんなーっっ！おはよーーーっ！こんにーちはわ～～～っ！？こんばんはーーーっ！！！
今日もみんなは元気にアニメを見ているかなっ！？たに監督はきっと今日も元気に自転車をこいでいるよ！そしてぼく、ますはら監督も今日も元気にアニメを作っているよっ！！
さて、きょうは「アフレコ」のお話だよ。アニメは絵だけでは完成しないからね。みんなが毎週聞いている、おっこちゃんやウリ坊たちの元気な声も「声優（せいゆう）さん」が声をのせてくれてるんだ！
「アフレコ」っていうのは実は略した言葉なんだよ。せいかくに言うと「アフターレコーディング」のことなんだ！日本語にすると「後に、録音」って意味だね。テレビアニメをつくる順番は、まず先に絵を作って、「後に」声を「録音」して重ねるから、「アフレコ」っていうんだ。アフレコでは声優さんがアニメの映像に声をのせていくよ。声優さんには本番の声をとる日よりも前に、あらかじめどんな台詞が出てくるかのってる「アフレコ台本（だいほん）」を渡して、それぞれ「アニメの映像」を見てもらっておくよ。そうする事で前もってれんしゅうできるからね。でも舞台のおけいことかと違って、アニメではみんないっぺんに集まるのは「アフレコ」本番の日だから、そこで初めてみんなは他の人がどういうお芝居で組み立ててきたかを聞くことになるんだ。つまり、ひとりひとりの声優さんにとっては、本番のアフレコで初めて他の声優さんのお芝居を聞くわけだから、あらかじめ想像してた会話の「相手のお芝居」が違ってたりする場合があるわけなんだ。声優さんのお芝居が違うと、同じシーンでも方向性や表現したいことがガラリと変わるよ。だから本番のアフレコ前にはみんなでしゃべってもらうテストをするんだ！たとえばケンカして仲直りしようと男子が女子にあやまっているシーンがあるとするよ。
男子「ごめんなさい」
女子「ごめんなさい」
先生「もう、ふたりとも」
それぞれの声優さんがひとりでお芝居を練習してくるのを想像してみて？いろんなパターンが考えられるよ。
男子1.本当はあやまりたくないのに嫌々な気持ち
男子2.素直に謝ろうとしてる気持ち
男子3.後悔して、やっと正直に言えなかったけど勇気を出して言おうとした気持ち
女子
女子1.許してないけど相手に先生のまえなのでしかたなく謝る気持ち
女子2.相手が謝ったので、素直に謝る気持ち
女子3.とても心の中では許せないけど、どうにか言葉にはしてみた気持ち
女子4.もう二度とかかわるのはゴメンだ！とこれで終わりにしたい気持ち
女子5. この男子が謝るとは想像もつかなかったので、つられて思わず素直に謝る気持ち
先生
1.ふたりが謝ることができたことをほめる気持ち
2.ふたりが口先だけであやまっているのを怒りたい気持ち
3.ふたりがとうとう謝れたことがうれしい気持ち
4.そもそもどうしてケンカした理由を詳しく聞き出したい気持ち
5.本当に仲直りしてもらいたいから、ちゃんと謝ってほしい気持ち
6.あんがいあっさり謝ったのでひょうし抜けした気持ち
7.ふたりを別の日に呼び出すことにして今日はもうお家に返そうとあきらめる気持ち
テストしたときに想像してた相手のお芝居が違ったときに声優さんは「自分のお芝居を変更しなくちゃ！」って場合もあるんだね。まさに「そう来たか！」ってかんじ！そのまま、それぞれの声優さんがバラバラのまんまでお芝居してたら困ったことになるよ！
「あたしは、この男子、ほんきで謝ってないと思う！」とか、「ぼくはこの女子、先に謝るのが嫌いなタイプだと思う！そのほうがだんぜん、ぼくの好みだ！」とか、「この先生、ふたりのことはほうっておいて、はやく彼氏とデートにいきたいと思ってるにちがいない！なんてひどいやつだ！」とか言ってたらたいへん！それこそホントのケンカになっちゃうよ！
そんなときに、ぜんたいを見て作品の表現したいことの方向性がバラバラにならないように指揮をとるのが「音響監督（おんきょうかんとく）」さんなんだ！『若おかみは小学生！』では「三間雅文（みままさふみ)お兄さん」に音響監督をしてもらったよ！ぼく、ますはら監督は三間お兄さんと前におしごとを一緒にした事があるんだ。そのときに三間お兄さんは、がんばって声優さんたちの実力を更にグイグイとたくみに引き出していたのを目撃したんだ！ぼくは「三間さんは、とてもすごくて素晴らしい音響監督さんだなぁ！」と思ったよ！だから、『若おかみは小学生！』でもぜひお願いしたいと思って頼んだんだよ！

おっと、今回も長くなってきちゃった！じゃあ、またつづきは今度にするね。次回はそうだね、「アニメーターさん」が「アニメの絵」をつくるのをがんばる人だというのと同じように、「アフレコ」で声のたましいを吹き込む、「声優さん」のおしごとのつづきのお話をしようかな！それじゃあみんな、たのしみに待っててね！