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Interview

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芦川 ただ、『AI』の制作作業をしていたときは、そんなふうに未来に思いを馳せて作っていたのですが、戦争があって……。

――そうですね。

佐藤 世の中がね……残念ながら。

芦川 テクノロジーの発展で人類が幸せになれば、と思うのですが。2015年に山田先生が原作を描かれた時には、テクノロジーが進むことによって、国家間の融和が進み、人種もジェンダーの垣根もない世の中になっていくだろう、と。そういう前提で描かれていたと思うんです。……今は分断が進んでしまっているので。現実が漫画に追いついて欲しいです。

――本当にそうですね。

芦川 アニメって平和じゃないと作れないものなんですよ。我々のエンタメ業界なんて、衣食住に比べたらなくても困らないものではあると思うのですが。だからこそ見てくださるお客さんを含めて、楽しくアニメを見られるような平和な世界じゃないと。

佐藤 戦争という手段を使って進化しようとするのは、やめてほしいよね。本当に何人(なにじん)とか言わないで、地球人でしょう。狭い地球なんだからね。

――今回山田先生からアドバイスはあったのですか。

芦川 あ、それはありました!

佐藤 超ご協力をいただいて。

芦川 こちらが恐縮するぐらい、クリエイティブで新しい提案を色々出して頂きました。そこまで変えて良いんですか?みたいな。佐藤監督が「こうしたいな」とおっしゃることに関しても、すごくノッて、一緒に作っていただいたんです。

佐藤 設定的なこともしっかりご教授いただいて、すごく助かりました。変な言い方ですけど、このアニメ版は山田先生にこそ楽しんでいただけると嬉しいなと思います。制作者としては感無量ですからね。

 


佐藤雄三:監督/絵コンテ
サンリオ、スタジオぎゃろっぷ等を経て、マッドハウスで活躍中。代表作に『YAWARA!』(作画監督)、『MONSTER』(絵コンテ、演出)、『闘牌伝説アカギ〜闇に舞い降りた天才〜』、『逆境無頼カイジ』シリーズ(いずれも監督)などがある。近年では2022年1月放映の『ハコヅメ』で監督を務める。

芦川真理子:プロデューサー
2008年マッドハウス入社。『はじめの一歩』、『HUNTER×HUNTER』等の作品で制作としての経験を積み、デスク、設定制作、アシスタントプロデューサーを経て2022年1月放映の『ハコヅメ』からプロデューサーを務める。