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Interview

Interview
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――今回DR MOVIEさん(※注:古くからマッドハウス作品で作画や撮影等の重要なパートを担っている、韓国ソウルにあるアニメスタジオ)とご一緒されていると思うのですが、佐藤監督とのお付き合いも長いですよね。

佐藤 そうですね。ありがたいことに僕が監督作品をやると、当時やってくれたスタッフが何人か入ってくれたりするんですよ。

――ああ、佐藤監督作品だから。じゃあ『アカギ』の頃から付き合いのある方は、今も……。

佐藤 積極的に手伝ってくれているみたいで、ありがたいです。演出も含めて多くの方に参加いただきました。彼らは、おそらくずっとDRにいるわけじゃないと思うんですよ。DRを出て別の仕事をやっていたりするけど、タイミングが合うので戻ってきた方もいると思うんです。上手な子たちも手伝ってくれたりしたので。

――DRさんは『アカギ』の頃からクオリティに関して安定している印象があります。

芦川 DRさんの強み、今までお仕事をご一緒した経験から「ここを押さえれば大丈夫だ」という勘所があるんですよね。佐藤監督もそのあたりは意識してコンテを切られていて。韓国の現場は、編集や音響のない状態なので、国内の演出さんと完全に同じ状況でできるわけではない……そういう意識の差はありますが、「ここはもうお任せできる」みたいな役割分担はあるんです。

――マッドハウスとは、長く一緒にやられていますからね。

芦川 付き合いが長いって大事だと思うんです。「佐藤監督のお仕事だったら、頑張ってやらなきゃ」と思ってくださるかもしれないし。ただ、コロナ前は作品終わりで打ち上げに来ていただくような交流があったのですが、最近はできなくなってしまって。

佐藤 みんなで作っている意識は、絶対重要ですよね。

芦川 これからも関係を深めていけたらいいなと思っています。コロナがなければ、DRさんに行ってラッシュチェックをしたかったですよね。

佐藤 リモートだものね。環境はどんどん整っていますよ。音声がブツブツ言っていたのが、クリアに聞こえるようになったり。

芦川 DRさんは元々デジタル化が早かったので、コロナでさらに進んでいるのかなと。我々が追いつかないといけないぐらいなんです。佐藤監督もこの次以降の作品は、タブレットでチェックをやっていきたいと。

佐藤 時間と相談しながら、かな。あまり本腰を入れちゃうと作業が遅れ気味になりかねないから。かといって使わないわけにもいかないし。

芦川 時間の許す範囲でこれから慣れていただこうかなと思っているんです。DRさんとも余計にやり取りはしやすいかなと。

佐藤 僕があと何年現役を続けるかわからないけど、「いずれそうなるんだったら覚えといた方がいいよな」と思っています。


佐藤雄三:監督/絵コンテ
サンリオ、スタジオぎゃろっぷ等を経て、マッドハウスで活躍中。代表作に『YAWARA!』(作画監督)、『MONSTER』(絵コンテ、演出)、『闘牌伝説アカギ〜闇に舞い降りた天才〜』、『逆境無頼カイジ』シリーズ(いずれも監督)などがある。近年では2022年1月放映の『ハコヅメ』で監督を務める。

芦川真理子:プロデューサー
2008年マッドハウス入社。『はじめの一歩』、『HUNTER×HUNTER』等の作品で制作としての経験を積み、デスク、設定制作、アシスタントプロデューサーを経て2022年1月放映の『ハコヅメ』からプロデューサーを務める。