Interview
――今後のマッドハウスには、何を期待されますか。
芦川 若手が伸びてきて欲しいなと思いますね。『AI』も若手の進行さんが楽しんでやってくれたかなとは思いますので、そういうキャリアを昔とは違うかたちで、積んでもらえればと思います。
佐藤 昔は良かったなんて、言ってもしょうがないことだから。今のやり方でどう楽しむかは、今の子たちに委ねるしかないんですよ。
芦川 20年前は、20人入って20人辞めちゃってたんで(笑)。でもそのなかには、きっとクリエイティブな子もいたと思うんです。その子たちがいなくなる現場じゃないといいなとは思います。マッドはみんなの努力で、働き方も普通になってきていますから、そのなかで物を作ってもらって、楽しみ方を見つけていって欲しいですね。
佐藤 本当に、努力すれば誰でもチャンスがありますから。継続は力なり。これは間違いないですよ。ただ保証はできないから、自己責任上の話ではあるんですけどね。実際僕もキャリアとしてはもう44年。あと6年で50年になっちゃいますけど……。
――今のマッドハウスと同じ年になってしまいますね。
佐藤 勘弁してほしいですけど(笑)。それだけやっても飽きてないわけだから、魅力があると思っているんですよ。だから僕がマッドハウスに期待することは、「作り続ける」姿勢を会社としても本腰を持ってしっかりやっていって欲しいなと。銭勘定だけで言い出すと「会社は経営があるんだから」になる。それでも、作るのは止めず、作り続けて欲しいんです。
そして新しい人たちには、この仕事を遊んでもらいたいです。苦労だけをするわけじゃないですし、アニメもコンテンツとしてまだ十分存在価値がある気がします。なのに若い子がしっかり引き継いでなくて人手不足になっているなら、こう言いたいですよ。「ものを作る仕事って面白いよ」って。ちゃんと僕も、うしろで手伝いますから。